プロコンの新しいカタチ CODE FESTIVAL 2014

プロコンと、音楽とアートのフェスとゲームを足したら?

そもそも一緒になんてできるの?

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2014年11月にリクルートとIndeed 東京オフィス共催のCODE FESTIVAL2014が開催。2日間に渡り200名の学生プログラマーが東京に集結した。

フェス中は5種類のプロコン問題の他、プロコン以外の楽しいコンテンツなども用意された。また、最初のプロコン問題の後、参加者はその問題へ個人指導なども受けられるなど、普通のプロコンとは一線を画したものとなった。

200名のプログラマーが一堂に会した様子は…?

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プロコン史上初めての試み

才能あるプログラマーたちが、自身のプログラミングとプロコンへの愛を通じて、集い、切磋琢磨し、楽しみ、仲間を作り、そして新しい事を学ぶことができる―主催者たちは、彼らにそんな環境を与えたのだ。

通常、プロコンに出場できるのは少数の上位選手に限られる。基準に満たない選手のモチベーションがあがらない事もあるだろう。

イベントのプロジェクトリーダーである松尾彩佳は、この伝統から自由になることを決めた。

フェスの形を取ることで、より多くの参加者がコンテンツを楽しめるようになったのだ。

もう一つ、このフェスの新しい試みは、松尾のチームメンバー。 Indeed 東京オフィスに2015年4月に新卒入社予定の16名だ。 彼らは問題のアイデアを出し、イベント運営を手伝い、盛り上げ役を務めた。
Indeed 東京オフィスに2015年4月に新卒入社予定の16名だ。 彼らは問題のアイデアを出し、イベント運営を手伝い、盛り上げ役を務めた。

経験を活かす

Indeedとリクルートは2013年秋、12月、そして2014年2月にもプロコンを開催している(詳細はこちら)。これらイベントは、どういう種類の問題を今後どう展開するか等の有意義な課題を残し、2014年11月のフェスのベースとなっている。CODE FESTIVAL2014も大成功を収めたので、既に次のイベントの計画も練られているとか。さらに多くの選手参加に繋がるか?

コーディング・チャレンジ

フェス中は、全部で5種類のプロコンが開催。問題のうちの2問である本選と2日目の朝に行われたあさプロ(朝からプロコン)が、一般的なプロコンとも言えたが、後の3問は一風変わったものとなった。

本選

200名の全参加者は、3時間以内に10問(デバッグを含む)解答に挑戦。

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本選の競技中の参加者

最短時間で一番多くの問題を解いた参加者が優勝。本選トップ5はこの後、エキシビションに進むことに。

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トップ5の入賞者と、Indeedのエンジニアリング部門上級副社長(SVP) ダグ・グレイ

優勝者は294,409円の賞金を獲得。素数みたいな額である。

去年のコーディング・デュエル東京大会の賞金は、確かに素数だった。今年は皆を悩ませるため、主催者たちは強擬素数を賞金額に選んだ。

競技と強擬がかかっている。 実に賢い。

上位20位までの賞金額はこちらから

エキシビションマッチ

Day 1の夕方、本選トップ5の決勝戦進出者はエキシビションマッチのために用意された別室に移動した。
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エキシビション戦最中に参加者を撮影

プライバシーがあるとは言い難い部屋だが、5名の各PCのライブ動画は、本会場にストリーミングされた。これにより、問題を取り組む参加者の状況を、全員が見守ることとなった。音声解説も、さらにこれを盛り上げた。

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エキシビションの観戦者

挑戦者は、別室で一挙一動を見られていることに気づいてたかって?

もちろん!観客がいることで、とにかく競技は活気に満ちたものとなった。

あさプロ(朝からプロコン)

Day 2の朝にも、全参加者200名はプロコンに参加。変化を出すため、参加者はスキルとレベルに応じて3グループに分けられ、各グループの中での個人戦を行った。

A.I. Challenge

AI (人工知能)プロコンでは、参加者はコンピューターゲーム上のプレイヤーを操作するコードを書いた。フェス開催前に事前エントリーのあった50名が予選に参加し、うち16名が決勝進出。上位16名は、4グループに分けられ、トーナメント方式で競った。

また、高橋直大氏( AtCoder の代表取締役 であり競技プログラマー) と Colun 氏 (競技プログラマー) と A.I. Challenge 上位2名によるエキシビションが行われた。

チーム対抗早解きリレー

Day 2の最終問題では、200名の全参加者を各10名いる20チームに分けた。これは、各チームが1時間半以内に10問を1人1問ずつ解く、というもの。ライブ動画と実況中継が流された。

参加者が問題を解く間、残りのチームメンバーは、解答エリアから離れた場所に集まった。「バトン」を持っているチームメイトは、疑問があれば、PCのある解答エリアを離れて、他のチームメンバーに協力を仰ぐことが可能。

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リレー中に作戦会議をするチーム

プロコン以外のコンテンツ

全参加者が、学び、遊び、そして仲間と繋がれる機会を持つ― これが実現できるよう今回イベント主催者は心を砕いた。プログラミング以外のコンテンツは、コードっぽいコンテンツを書く書道コーティングや、ボードゲーム、太鼓の達人、そしてDDR(Dance Dance Revolution)など様々。

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書道コーディング

参加者はまた、プロコンのエキスパートから個人指導を受けられた。さらには、業界のプロたちのパネルディスカッションも開催。パネルディスカッションのトピックは以下の通り。

  • 競技プログラミングの未来
  • 競技プログラミングはプログラミング学習目的に有効か?
  • レッドコーダーの作り方
  • プロコン高速化対策

さらに詳しく知りたい方は…

ギズモード・ジャパン による特集記事はこちらこちらから。

各参加者の解答は、AtCoderの順位表ページに掲載中。

同ページで、各ユーザー名の横の拡大鏡マークをクリックして見ることができる。

腕をあげたい皆さん、Top Coder 参加や、ACM-ICPC 世界大会決勝戦の過去問に挑戦してみよう。